ロンドンのURBAN FARMERS

前回アップしたニューヨークの記事が想像以上に反響が大きかったので、もうひとつ、ぜひ注目してもらいたい取り組みを紹介します。

まず、上の画像。これなんだか分かりますか?これは、2012年にロンドンがオリンピック開催を契機に始めたある取り組みをマッピングしたものです。

ロンドン市は、2012年のオリンピック開催にちなんで、なんと2012箇所の市民農園を開設したのです。それも、わずか5㎡のスペースがあれば市民農園として認可するという方針を打ち出したところ、あっという間に2012箇所の市民農園が本当に誕生したのです。素晴らしいのは、その市民農園が市民たち自らの手によって運営されているところ。さらに、素晴らしいのは、単なるオリンピック向けの打ち上げ花火で終わらずに、その後も市民農園は増え続け、現在では3000箇所に及ぶほど増え続け、ボランティアを含めると、年間でなんと10万人もの市民が農園運営に関わっているのです。そして、なんと、毎年40トンもの野菜が栽培されており、そこで収穫された野菜は地域の飲食店でも食べられる仕組みとなっているのです。

その市民農園の所在地をマッピングしたものがこの画像です。さらに、素晴らしい(素晴らしいばっかり言ってますが)のは、各農園をクリックすると、どんな作物を育てているかなどの農園の情報に加えて、その日行っている農作業の内容も知ることができるのです。つまり、ちょっとした空き時間があったら、今、自分がいる場所の最寄りの農園を調べ、そこでボランティアを募集していれば、誰でもそこへ行って農作業を行える、市民と農園のマッチングも兼ねているところ。

都内にもいくつも区民農園などがありますが、よく耳にするのは、「借りるときは高倍率。しかし、実際に当選しても、実はそこが農地としてしっかりした土作りが行われていなかったり、農作業を教えてくれる人材がいないため、しばらくの間は、頑張ってみるんだけど、まともに作物を育てることができないので、モチベーションが下がって、結局は通わなくなってしまう」という悲しいループの連続という事実。

ロンドンの取り組みが素晴らしいのは、定期的に作物の栽培講座をしたり、地域ごとに収穫祭なども行うことで、「育てる」と「食べる」をみんなで一緒に学びながら行えるような下地作りをしているところ。しかも、この取り組みなら、「自分の畑」が固定されているわけではないので、「毎週、日曜日には必ず畑の手入れに行かなきゃ」なんて変なプレッシャーを抱える必要もありません。

僕たちweekend farmersのコンセプトは「育てて食べる畑の八百屋」です。これまでは、相模湖の畑を中心に、イベントなどの特定の日のみ渋谷の畑を解放して活動を行ってきました。渋谷の畑では、「ここって、普段もお手伝いに通えるんですか」と聞かれるたびに、もっと多くの人たちと一緒に、みんなで育てられる畑作りができないものかと考えていました。期せずして、2020年には東京オリンピックが開催されます。そこで、僕たちは、weekend farmersとしてだけでなく、さらに大きな枠組みで、東京の、いや日本全国のURBAN FARMERSが連携できるような取り組みを作ることを始めることにしました。正式な情報は、後日、改めて発表しますが、まず、第一歩として、渋谷区内に数カ所の畑や田んぼを作ることになりそうです。「エディブル・シティ」や「URBAN FARMING」などがトレンドとして語られる一方で、「フードロス」や「農家の後継者不足」など大きな課題も山積みですが、そんなこんなも全部まとめてみんなで耕しませんか。そして、僕たち自身の手で、都会のちょっとしたスペースから未来を作っていきませんか。

かつて、福岡正信さんは「わら一本の革命」という本で全国に自然農法という種を蒔かれました。やり方は少々異なるかもしれませんが、2017年の今を生きている都市生活者だからこそできること。それは「鍬一本から始める革命」なのではないでしょうか。

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