ニューヨークのURBAN FARMERS

ある日、友人から一枚の写真と簡単なメッセージが送られてきた。

「屋上農園で有名なブルックリンの『BROOKLYN GRANGE』を立ち上げたメンバーが、今度は畑付きのマンションを作ってるらしいよ。N.Yに行く機会があれば行ってみたら」

確かに写真を見ると、コの字型のレジデンツのど真ん中にドカンと畑が広がっている。早速、ニューヨークの知人にお願いをして現地へ取材に行ってもらった。

取材スタッフを出迎えてくれたのは、このレジデンスの畑を運営しているザロさん。現在、26歳の彼女は、ブルックリンの屋上農園『BROOKLYN GRANGE』でインターンとして働いていたそうで、そこで出会ったオーストラリア人の男性と結婚し、二人でアーバン・ファーミングのコンサルティング会社を起業。そこへ、不動産会社より、「プールやジムではない、居住者が喜ぶような新しいサービスを提供したい」との話を受けて、畑付きのレジデンスを提案。市民農園やコミュニティ・ガーデンが根付いているニューヨークだからだろうか、このアイデアは一発で採用が決まり、なんと500部屋もある畑付きの巨大レジデンスが誕生することになった。

このレジデンスは、マンハッタンから1時間ほどの距離にある、スタッテン・アイランドにある。部屋はStudio(日本でいうワンルーム)タイプから2Bed Roomまで。ウォール街へ通うビジネスマンやファミリー、あるいはリタイア後の生活をゆったり過ごしたいという老父婦などでほぼ満室だそうだ。


畑は夏野菜から冬野菜への切り替え中。日常的に住民が畑作業に関わることはなく、運営は全てザロさん夫妻と、夫妻の友人で行っており、住民に向けては定期的なワークショップを開催している。ここに住むシェフと共同でクッキングスクールなども行っている。敷地内にはカフェも併設しており、収穫したての野菜をたっぷり味わうことも出来る。また、野菜を育てる畑以外にも、花卉(かき)のプランターも充実している。

「住民の方には、食べたい庭が欲しいという人もいるし、美しい愛でる庭が欲しいという人もいる。だから、ここでは、みんなが楽しめるように、色んなグリーンのライフスタイルを提供したい」とザロさんは語る。そんな彼女の言葉の中で、とても共感した言葉があった。

「私は、自分を生粋のFARMER(=農家)だとは思っていないの。むしろ、アクティビスト(=活動家)だと思ってる。グリーンに触れることを通してメッセージを伝えたい。新しい時代のメッセージを」

取材に行ってくれた知人が僕たちweekend farmersのことを話すと、とても興味を持ったようで「何か一緒にやりたいわ」と語っていたそうだ。

まだ、公表できないのが残念だけれど、僕たちはこの冬から立ち上げる新しいプロジェクトがある。そのプロジェクトには、まさに彼女の言葉ではないが、僕たちが考える「新しい時代のメッセージ」を込めている。

12月に彼女は日本にやってくる。一体、どんなセッションが生まれるのだろう。

 

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。